【ブリーチを使ったヘアカラーに必要な基礎知識】メラニンと脱色  アンダートーンと補色 カラー剤レベル選択     

はじめまして!こんにちは。今回は、美容師の方にとって必須の技術である「ブリーチ」についてお話ししたいと思います。ブリーチはヘアカラーの基礎技術であり、ヘアスタイルのバリエーションを広げる上で欠かせない技術です。しかし、ブリーチはまだ勉強が必要な方も多いのではないでしょうか?そこで、今回はブリーチに必要な知識や注意点について解説していきます。是非、最後までお付き合いください!


ブリーチの勉強に必要な知識としては、以下のようなものがあります。

  1. ブリーチの化学的な反応と原理
  2. 髪の毛の構造と成分
  3. ブリーチ剤の種類と特徴
  4. ブリーチのプロセスと注意点
  5. 髪質や頭皮の状態に応じたブリーチの使い分け
  6. ブリーチのアフターケアとケア方法

これらの知識を習得することで、ブリーチの基礎をしっかりと理解し、安全かつ効果的に施術することができるようになります。また、より高度なブリーチテクニックやカラーの応用にもつながります。

自己紹介

このブログは美容師として20年以上の経験を持つatsushiが運営するもので、主に美容業界において需要が高いヘアカラーに関する情報を提供しています。私の経験や外資系化粧品メーカーでの講習活動に基づいた知識をもとに、ヘアカラー理論やカラー剤の選択・調合、デザインカラーの提案、毛髪理論と薬剤、ヘアケア理論などについて解説しています。また、美容師向けのコンテンツやオンラインコースなども提供しています。私は、自分の経験や学んだことが他の美容師に役立てば幸いだと考えており、私のブログやコースが美容師のサロンワークや技術向上に貢献できることを願っています。

ブリーチを使ったヘアカラーに必要な基礎知識

学ぶ内容は3つあります。

1.メラニンと脱色の関係
2.アンダートーンと補色の関係 
3.カラー剤レベル選択方法

これらを学んでいきます。

ここで、定義としてブリーチを使ったカラーで、ダブルカラー、ブリーチオンカラーとは2種類のカラー剤を使ったハイトーンのヘアカラーと定義しています。

2種類のカラー剤とは、1つ目がブリーチ、2つ目がブリーチ後のカラーとなります。

ダブルカラーやブリーチオンカラーは、
複数のカラー剤を使用して、髪の毛に立体感やボリューム感を出すカラーテクニックのことですが、

ダブルカラーは、2種類のカラー剤を使用し、根元と毛先で異なる色味を表現することができます。例えば、根元は暗めの色味で毛先は明るめの色味を表現することで、立体感のある仕上がりになります。

このブログでは、ダブルカラーとブリーチオンカラーは同じ定義としています。

この定義で、ダブルカラー、ブリーチオンカラーは、まずブリーチ剤で髪の毛を脱色した後に、カラー剤で色味を付ける技術です。ブリーチ剤を使用することで、髪の毛の色素を取り除き、カラー剤がより鮮やかに発色します。ブリーチオンカラーは、カラーリングに慣れた人向けのテクニックであり、美容師の技術力が求められます。

メラニンと脱色の関係

毛髪の構造は、表面にキューティクル 内部にコルテックス 中心部にメデュラ で構造されています。

メラニンはコルテックス内部に存在し髪の成分中の約4.5%以下です。(個人差あり)

毛髪(地毛)の色は、コルテックス内部に存在しているメラニン色素の種類で決まります。

メラニンには、ユーメラニン(黒〜褐色)とフェオメラニン(赤, 黄)この2種類があります。

髪色は、ユーメラニンとフェオメラニンの構成で地毛の色が決まっていることを知っておきましょう。

髪色はユーメラニンの濃淡で決まり、黄色み、赤み、はユーメラニンの濃淡で左右されます。

(ユーメラニンが濃いとフェオメラニンは赤、ユーメラニンが淡いとフェオメラニンは黄)となります。

僕たち日本人の髪色は、ユーメラニンが濃いので、フェオメラニンは赤となり、黒髪となっています。

欧米人の金髪は、ユーメラニンが薄く淡いので、ユーメラニンは黄となり、金髪となっています。

日本人の場合でも、地毛が黒髪ではなく、少し茶色の方もいますよね、

この場合、ユーメラニンが濃淡はそれほど濃くないのでフェオメラニンがオレンジ色となり地毛が茶色となります。

このように、地毛と言われる自然な髪色は、ユーメラニンの濃淡で決まります。仮に、日本人の場合、ユーメラニンがなければ、フェオメラニンが目立ち不自然ですよね。

ユーメラニン、フェオメラニンの特徴を理解しておきましょう。

脱色による、ユーメラニン フェオメラニンの変化

ユーメラニン フェオメラニンは脱色作用が異なります。

ユーメラニンは科学的に不安定でフェオメラニンは化学的に安定しています。

これは、メラニンの脱色は、ユーメラニンから先に脱色されフェオメラニンは徐々に脱色されていきます。

ブリーチ後、数分で、毛髪は、赤っぽくなり、オレンジになりますよね。

これは、早い段階で、ユーメラニンは脱色され、フェオメラニンが目立ち始めている段階です。その後、フェアメラニンは徐々に脱色され黄色へと変化していきます。

地毛を決定するユーメラニンが早い段階で脱色されていることがわかりますよね。

脱色で見る髪色はフェオメラニンの色

毛髪の脱色

脱色過程は次のようになります。

❶ 脱色 ユーメラニンは急速に脱色されていきますが、フェオメラニンはゆっくりと脱色されていきます。

❷ユーメラニンが脱色され、フェオメラニンの脱色が進むと髪色は赤、黄と変化していきます。

❸ 次第に、薄い黄色へと変化していきます。

皆さんも経験あると思いますが、ブリーチで、大変なところは、薄い黄色、ペールイエローまで脱色されないことですよね。

フェオメラニンはなかなか脱色されないので時間がかります。

ブリーチオンカラーをする場合、メラニンをペールイエローまで脱色したい時、1回のブリーチで脱色されない場合は、一度流してから、2回目のブリーチを行いましょう。

軟毛の場合は、早い段階でペールイエローまで脱色するケースもありますが、この場合地毛のフェオメラニンがオレンジなので脱色が早く感じます。

硬毛の場合は、ユーメラニンが非常に濃いのでフェオメラニンが赤、ですので脱色は遅く感じます。

アンダートーンと補色の関係

アンダートーンに対して補色を使い、アンダートーンをフラットにするイメージでオンカラーの色を表現しやすくする。
※色の反対色が捕色となります。

例えば、
【アンダートーン】ペールイエローの場合
【補色】は 薄いラベンダー青紫
【オンカラーに使うカラー剤】は、10レベルのカラー剤となります

【アンダートーン】ライトオレンジの場合
【補色】やや薄いブルー
【オンカラーに使うカラー剤】は 10レベルのカラー剤となります

カラー剤は各レベルが上がれば色は薄く、各レベルが下がれば色は濃くなります。

アンダートーンの明るさは、ヘアカラーチャートについている、レベルスケールを使い、髪に当てて、明るさを確認します。確認した明るさと、同レベルのカラー剤を補色にします。

アンダートーンが10レベルなら補色も10レベルですね。

同レベルにすることで、失敗のリスク軽減になります。仮に、補色のレベルを極端に下げると、捕色が効きすぎて、自然なブラウンになる場合があります。慣れるまでは、同レベルでいきましょう。

ヘアカラーにおいて補色効果は、カラーリングをする際に重要な要素の一つです

補色とは、色相環の対角線上に位置する色同士の関係を指し、

例えば赤と緑、青とオレンジ、黄と紫などが補色の関係にあります。

ヘアカラーにおいては、補色を使って不要な色味を打ち消したり、希望の色味を強調したりすることができます。

例えば、髪が黄みがかった場合は紫を使って黄色を打ち消すことができます。

また、黄みがかった髪に青を重ねることで、自然なブラウンカラーに仕上げることもできます。

補色効果を理解することで、より効果的なカラーを実現することができます。

ブリーチの注意点として、ブリーチによる脱色は、髪質やブリーチの種類、明るさの度合いなどによって異なります。

髪の状態を見て必要に応じて調整する必要があります。

このことを理解して、できるだけメラニンをペールイエローまで脱色した方が補色効果が高まりイメージするオンカラーの色を表現しやすいといった特徴があります。

ペールイエローまで脱色した場合、毛髪は不安定を増しダメージは大きくなります

毛髪によってはペールイエローまで脱色されない場合もあります。

この場合、限界値でストップするようにしください。

無理にブリーチすると、断毛の恐れがあります。

限界値のアンダートーンの明るさ、色から補色の選択をしていきます。

放置時間が長すぎると、髪が傷んだり刺激が強すぎて頭皮に悪影響を与えたりする可能性があります。

ブリーチは、毛髪内部のメラニンが脱色され空洞ができている状態です。

オンカラーの染料は毛髪外部へ流出しやすく褪色は早く、色持ちもが悪いことも覚えておきましょう。

アフターケアとして、自宅だできる、適切なヘアケアをアドバイスしていきましょう

カラー剤選択方法

ブリーチ後のアンダートーンを見て補色を選択して、アンダートーンをフラットにするイメージをして、次にオンカラーの選択をします。このレクチャーで、イメージするオンカラーのカラー剤レベル設定を学んでください。

【オンカラーの補色】カラー剤レベルは
アンダートーンと同レベルを選択しましょう。

カラー剤はレベルの違いで、色の濃淡が異なります。
レベルが上がれば、色は薄くなり、レベルが下がれば、色は濃くなります。

補色は、アンダートーンの色を打ち消す意味で使いますが、色が濃いと補色の色が強くなり、オンカラーの色の妨げとなります。

アンダートーンと補色のレベルが同じでしたら、アンダートーンの色を打ち消し、オンカラーの色の妨げにはなりません。

【オンカラーの色】カラー剤レベルはアンダートーンと同レベルor1〜2レベル下げます。

これは、元の髪の色によって必要なカラー剤のレベルが変わります。

明るい髪には低いレベルのカラー剤、暗い髪には高いレベルのカラー剤が必要になります。

ブリーチオンカラーは、

明るいブリーチ毛に対して、色を乗せるので、明るい髪には低いレベルのカラー剤を使います。

例えば、ブリーチ毛のアンダートーンが、12レベルでしたら、オンカラーは10レベル、8レベル、このようになります。

アンダートーンに対して、オンカラーが同レベルの場合は、薄く色が入ります。

アンダートーンに対して、オンカラーのレベルを下げることで、色が濃く入ります。

カラー剤の染料はレベルの違いで色が異なることを覚えておきましょう。

オンカラー 補色レベル、オンカラー カラー剤レベルをまとめ

オンカラー 補色レベル
アンダートーンのレベルより補色のレベルを上げてしまうと、補色が効かなくなりオンカラーの色を妨げてしまいます。

補色のレベルを下げてしまうと補色が強く出でしまいオンカラーの色を妨げてしまいます。

オンカラー カラー剤レベル
仕上がりイメージの色を薄くしたい場合、アンダートーンと同レベルを選択しましょう。

仕上がりイメージの色を少し強くしたい場合、アンダートーンより2レベル下げて選択しましょう。

次に、補足として
髪の状態によっても、カラー剤のレベルを選ぶ必要があります。ダメージがある場合には、低いレベルのカラー剤を使うことで髪への負担を減らすことがき、色が入ります。

ダメージ毛は、コルテックスに損傷がありますので、染料の定着が悪いことがあります。薄い染料より濃い染料の方が、定着効果が期待できます。

これらのポイントを踏まえて、適切なカラー剤のレベルを選ぶことが大切となります。

明るい髪には低いレベルのカラー剤を使いますが、トナーがあれば、トナーを使うようにしてください

リフターでトーンダウンもできますが、リフター、トナーの違いを見ていきましょう。

リフターは、トーンアップ用で、アルカリが高い特徴があります。

オキシとミックスによる化学反応を高めて、メラニンの脱色を高めます。このことで髪のトーンを上げます。

トナーは、トーンダウン用ですので、染料の入りを重要視して作られています。低アルカリですので、髪への負担を軽減できます。

オンカラーに使うオキシは、3%や1.5%を使います

カラー剤とオキシ(酸化剤)はヘアカラーを施す上で欠かせないものです。
カラー1剤は髪の色を変える成分であり、
2剤オキシはカラー剤を活性化する成分です。

一般的には、オキシの濃度が高いほど髪色が明るくなりますが、
同時に髪に負担をかけることになります。
また、オキシの濃度が低すぎると、カラー剤が活性化しきれず、思った明るさになりません。

カラー剤のレベルや明度によって、使うオキシの濃度を選ぶことが重要です。

一般的に、明るい色を作る場合には、オキシの濃度を高くすることが多いですが、
髪にダメージが少ないように、適切なオキシの濃度を選ぶことが大切です。

オキシは過酸化水素の濃度の違いで、6%、3%、1.5%と表示しています。
濃度が高いと、メラニンの脱色は高く、濃度が低いと脱色は低くなります。

ブリーチ毛や、既染毛に対してのヘアカラーは、トーンを下げていきますので、メラニンの脱色はさほど必要ありませんよね、ですので、トーンを下げる場合は、3%、1.5%を使っていきます。

使い方

【3%】
トーンダウンの基本として使うことが多く、綺麗に色は入ります。
ブリーチ毛に対して3%を使うと、若干メラニンを脱色しますので、少し薄く色を入れたい場合に使います。例えば、仕上がりイメージが淡いピンク系にしたい場合に使うと効果的です。

【1.5%】
3%に比べ色が入りやすい、濃く色味を入れたい場合に使います。例えば、仕上がりイメージが色味を感じるブルー系などに使うと効果的です。

ハイダメージ毛に対しても、1.5%を使ったほうが、色の入りがよくなります。

このように、イメージする仕上がりの色、毛髪の状態によって、オキシを使い分けてください。

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