ヘアカラーリストに必要なことはヘアカラーに必要な理論、テクニック、カウセリング、アウターケアなどさまざまなことが必要になると思います。
それは、ヘアカラーを思い通りにコントロールしてお客様の要望に答える、アドバイスができる、お客様をなりたい自分にしてあげる、そのサポートが必要だと考えます。
【ヘアカラー理論 基礎】ヘアカラーリストに必要な勉強
- 毛髪理論「日本人の毛髪の構造」「2つのメラニン」
- 色彩理論「色の三属性」
- ヘアカラー剤 化学「化学」「色構成」
ヘアカラーリストに必要なのは、毛髪を理解して出来るだけ髪に負担をかけずに施術することができるか、
毛髪を視診した時アンダートーンのメラニンを見て足りない色は何かイメージでき、
的確にカラー剤を選択できることができるかが重要になってきます。
それには、毛髪理論を勉強して、ヘアカラーによって毛髪はどのような影響を受けるのかを知る必要があります。
色彩理論を勉強して、色の属性などを理解し初めて、ヘアカラー剤の選択ができるようになります。
カラー薬剤のことも知っていないとできません。
ヘアカラーリストに必要なことは、1)日本人の毛髪、2)色の三属性、3)カラー剤色を学ぶのが効果的です。
他にも知識として必要なことが、沢山ありますが、
理論として特に必要な、この3つにフォーカスして本記事を読んでみて下さい。
毛髪理論
ヘアカラーリストに必要なことの一つに毛髪理論は、勉強しておきましょう。
毛髪理論のポイントは2つ
- 日本人の毛髪の構造
- 2つのメラニン
日本人の毛髪は傷みやすい特徴があります。
このことを理解すると、今よりも更にヘアカラーに対して慎重になりワンランク上のカラーができるようになります。
地毛の色は2つメラニンで構成されています。
これは、ヘアカラーを施術する上で、カラー剤の色構成と関係性があり、
ヘアカラーの脱色過程において、どのように脱色され、足りないメラニンに対して的確にカラー剤を選択することができます。
日本人の毛髪の構造
毛髪は主にケラチンタンパクでできています。 水分や、メラニンは、毛髪の艶感や毛髪の色となっています。 水分は少なく、メラニンは毛髪全体の数%しかありません。
日本人の髪は傷みやすい、、なぜ?
日本人の髪の特徴を理解して下さい。
日本人の毛髪は、
- キューティクルが薄い
- コルテックスが厚い
キューティクルは、紫外線など外的要因から毛髪を守るバリヤゾーンで、
毛髪内部のケラチンタンパク(間充物質)などの流失を防ぎます。
バリヤゾーンが薄いため壊れやすい特徴があります。
壊れてしまうと、外的要因から毛髪を守ることができず、毛髪内部の間充物質の流失につながり、
毛髪の艶感、質感を失います。ヘアカラーなどの染料も流失してしまい、褪色が激しくなってしまいます。
コルテックスは、毛髪全体の約80%以上を占めています。
コルテックスが厚いため、一度痛むとダメージ度合いが大きく
毛髪維持に重要な質感がなくなってしまいます。
- 毛髪は、爪と同じで主にケラチンタンパクですが、皮膚とは違い修復機能はありません。
- 毛髪組織の多くに細胞をつなぐ細胞間脂質があり、細胞どうしは間充物質で固定されています。
細胞間脂質、間充物質にダメージが及び、流失してしまうと、毛髪はもろくなり様々な影響を及ぼしてしまいます。
(毛小皮)薄い 15%未満(12, 13%)髪表面にあり毛髪内部を守る保護膜のようなもの。
数層構造、代表的なエピキューティクル、エキソキューティクル、エンドキューティクルがある。
ケラチンタンパク、細胞間脂質(CMC)
(毛皮質)多い 85%以上(85〜90%)髪内部を形成する組織。
コルテックス細胞、 フィブリル、ケラチンタンパク(間充物質)フィブリル、非ケラチンタンパク(マトリックスタンパク)フィブリル(ポリペプチド)、細胞間脂質(CMC)、水分、メラニン
(毛髄質)少ない10%未満(5〜8%)髪の中心にある組織。
太毛に存在する場合が多く、細毛には存在しない場合がある。
ケラチンタンパク、非ケラチンタンパク
ヘアカラーなどのアルカリ成分は、毛髪の水分、細胞間脂質、間充物質を溶かしてしまいます。
一度のヘアカラーではダメージは少ないと思いますが、
繰り返しヘアカラーをする場合や、過剰なブリーチなどは、
毛髪に与える影響は大きいことを覚えておきましょう。
アルカリによるダメージは避けられませんが、
ダメージをできるだけ最小限に抑えて施術することは可能です。
ヘアカラーリストには、必要ではないでしょうか。
2つのメラニン
毛髪の色を決定付けている地毛の色は、メラニンの濃淡で決まります。
黒髪はなぜ黒い色をしているのか?
金髪はなぜ黄い色なのか?
赤髪はなぜ赤い色をしているのか?
これらは、メラニンの濃淡で決まっています。
2つのメラニンの特徴を理解すると、ヘアカラー剤の色構成が、なぜこの構成なのかわかると思います。
メラニンの特徴を理解しましょう。
毛髪のメラニンには、ユーメラニン(黒〜褐色)フェオメラニン(赤、 黄)この2種類があります。
- ユーメラニン
- フェオメラニン
毛髪(地毛)の色は、コルテックス内部に存在しているメラニン色素の濃淡で決まります。
毛髪の色はユーメラニンの濃淡で決まり、ユーメラニンの濃淡でフェオメラニンも左右さる
- ほとんどの人々は、これら2種類のメラニンを混合して持っています
- 黒髪は、ユーメラニンが濃く フェオメラニンが濃い (赤)
- 金髪は、ユーメラニンが薄く フェオメラニンが薄い(黄)
毛髪の色はユーメラニンの濃淡により決まります
ユーメラニンが濃ければ毛髪の色は黒 (日本人)
- 地毛(黒色)ユーメラニンが濃い
- 地毛(茶色)ユーメラニンがやや薄い
黒髪、金髪は同一の色素によるものユーメラニンが濃ければけ黒に見え、薄いとフェオメラニンの色が目立つ
フェオメラニンの黄み、赤み、はユーメラニンの濃淡で左右されます
- ユーメラニンの濃度が高いとフェオメラニンは赤くなる
- ユーメラニンの濃度が低いとフェオメラニンは黄になる
ヘアカラーによる脱色・ユーメラニン ・フェオメラニンの変化
毛髪の色を決定付ける2つのメラニンの特徴が分かりましたね。
次は、ヘアカラーの脱色過程において2つのメラニンはどのように脱色されていくのか見ていきましょう。
この脱色過程をイメージして、ブリーチ、ヘアカラー、を施術すると、
どこまでブリーチで脱色して良いのか?
アンダートーンの足りない色は?
などが分かってきます。
- 科学的に不安定で、脱色しやすいメラニンです
- ユーメラニンから先に脱色される
- 化学的に安定していて、脱色しにくいメラニンです
- ユーメラニンより後に徐々に脱色される
- ユーメラニンは急速に脱色されていきます
- フェオメラニンは比較的ゆっくりと脱色されていきます
- ユーメラニンが脱色されると、フェオメラニンが目立ちます
- フェオメラニンが脱色されると髪は橙色になり、次第に黄色へと変化していきます
色彩理論
色彩理論を勉強すると、色の属性などが分かります。
色の特徴、属性が分かると、あなたが使用しているヘアカラー剤の特徴、構成が分かります。
ヘアカラーの特徴、構成が分かると、
ヘアカラー剤の選択、調合が分かってきます。
それには、先ほどの2つのメラニンの特徴を理解してください。
ユーメラニンは、毛髪の色を決定付けるメラニンですよね、
ユーメラニンは、脱色過程ですぐに脱色されていきます。
そうするとフェオメラニンが目立ちます。不自然ですよね。
カラー剤も不自然にならないようベースカラーがあります。
2つのメラニンとカラー剤の色構成は関係性があります。
このことが分かると、一気にヘアカラーは上達します。
まずは、色から理解する必要があります。
色の三属性
色には 色相、彩度、明度がありこれを色の三属性といいます。
- 色には、濃淡や明暗があります。これは、色相、彩度、明度、があるからです。有彩色、(暖色系、寒色系)
- 白、灰、黒は明暗で区別され、色相を含まず彩度も含みません。このような色を無彩色
- 色相は赤、橙、黄、緑、青、紫といった色があります
- 色相の変化を順序立て円環にして並べたものを色相環で表しています
- 明度は明暗を現します。
- 黒〜白 黒に徐々に白を足していくと中間が灰色となり更に白を足していくと最後は白
- 彩度は色の鮮やかさを現します(強弱)
- 色相に明度を加えると、各彩度ができます。例えば色相の赤に白の明度を加えると淡いピンクになります。色相に同じ白を加えると各色の彩度ができます。この彩度は同じグリープとして同じ色相環で表します。(ペール系の色相感)このように色相に対して違う明度を加えると色々なグループの色相環ができていきます。
ヘアカラーの色相、明度、彩度
ヘアカラーの色相は、各色になります。レット系、バイオレット系、ブルー系、マット系 etc.
明度は2つに分けて考えましょう。
1つは、ナチュラル系、ニュートラル系 5 6 7 8 9 10 Lev 色味を持たない無彩色、明度で考えましよう。
2つ目は、各色。レット系5 6 7 8 9 10 Lev. バイオレット系5 6 7 8 9 10 Lev. ブルー系5 6 7 8 9 10 Lev. マット系5 6 7 8 9 10 Lev etc. 色相に対して違う明度を加えた彩度のある色。
このように色相に対して、違う明度を加えると、彩度に違いができます。
カラー剤の各色の5レベルは同じ彩度のグループで、10レベルは同じ彩度のグループとなります。
これが、各色の彩度の違うレベル設定です。
色彩の明度は無彩色となり、黒〜灰〜白となりますが、
ヘアカラーでは、ナチュラル系、ニュートラル系を明度、無彩色と考えます。濃いブラウン〜薄いブラウン。
ナチュラル系、ニュートラル系はヘアカラーのベースカラー(基準色)となっています。
この2つは赤みを抑えたややマットよりになっていて、ヘアカラーをした時、赤みが出ないようにフラットの状態にするカラー剤です。同時にユーメラニンを補うカラー剤でもあります。
他にもブラウン系がありますが、これもナチュラル系、ニュートラル系と同じように考えてください。
だたし、ブラウン系は赤みのあるブラウンとなります。
寒色系のベースカラー(基準色)はナチュラル系、ニュートラル系。
暖色系のベースカラー(基準色)はブラウン系。
となります。
カラー剤の種類に、高彩度カラーで色味を重視しているカラー剤は、
色相にないして違う明度を加える、明度薄いと考えて下さい。
明度が薄いので色相の色みが強く出ます。
ベースカラーの基準色の明度も薄い。
これが高彩度のカラー剤です。
カラーリング剤で考えると、色相(各色)+ 明度(1〜13Lev)= 彩度(各色Lev毎に色の明暗、強弱があります)
- 6Lev 色は暗い低明度 低彩度
- 8Lev 色は中明度 高彩度 ※色強い
- 10Lev 色は明るい高明度 低彩度
カラー剤のベースカラー(基準色)ナチュラル系、ニュートラル系、ブラウン系
- 6Lev 低明度
- 8Lev 中明度
- 10Lev 高明度
ヘアカラー剤 化学(サイエンス)
ヘアカラー剤はいろいろありますが、1剤、2剤をミックスするヘアカラー剤は、
パーマネントカラーと言います。「正式名称」
「パーマネント」とは 永久です。
ヘアカラー1剤はアルカリです。
カラー剤によっては、低アルカリのものもありトナーなどがあげられます。
ブリーチ1剤は強アルカリになります。
毛髪は通常、弱酸性です。
ヘアカラーなどのアルカリは毛髪に負担がかかります。
的確にスピーディーに施術し、アルカリにさらされている時間を減らすことも、
ヘアカラーリストには必要です。
2剤OXは過酸化水素水で酸性です。
1剤のアルカリは毛髪を膨潤させ毛髪内部に混合液を浸透させ
1剤と2剤をミックスした化学反応で染料を発色させ、メラニンを脱色していきます。
毛髪に負担のかかるところは、キューティクル、コルテックス内部です。
ここには、毛髪の状態を保つ、水分、脂質、ケラチンタンパクなどが多くあり、
アルカリに影響されます。
このことを考えてヘアカラー剤を扱って下さいね。
ヘアカラー1剤の色構成
ヘアカラー剤はナチュラル系、ニュートラル系、ブラウン系と各色があります。
- 【ベースカラー 】明度(ナチュラル系、ニュートラル系、ブラウン系)
- 【色】 色相(レッド、ブルー、バイオレットetc)
- 【明度】ナチュラル系、ニュートラル系(マットよりの自然なブラウン)
- 【明度】ブラウン系(赤みのある自然なブラウン)
※ベースカラーは無彩色として考えましょう。
- 【明度】ベースカラー(ブラウン系)
- 【色相】レッド、オレンジ、バイオレットetc.
- 【彩度】 5 6 7 8 9 10 Lev
- 【明度】ベースカラー(マッド系)
- 【色相】ブルー、ラベンダー、イエロー、グリーンetc
- 【彩度】5 6 7 8 9 10 Lev
ヘアカラー剤は、レベルが上がれば色は薄く、下がれば濃くなります。
ヘアカラーの種類で、
- 色み重視の高彩度ファッションカラー
- ブラウン重視の低彩度のファッションカラー
- グレイカラー、グレイファッションカラー 低彩度〜高彩度
それぞれ【明度】ベースカラーの濃淡が違います。
このようにカラー剤の種類があります。
※低彩度は、明るいペール系、暗いダーク系などになります。
高彩度は、色そのものを一番感じられることを表しますが、色彩ではビビット系となります。
ビビット系は原色を表し明度調整されていません。
パーマネントカラー(ヘアカラー剤)はアクセントカラーを除く全ての色にビビット系の色はありません。
ですが、ベースカラーが薄く比較的色を感じられるカラー剤を高彩度に位置つけています。
まとめ
そのほかにも必要な知識はありますが、
本記事では、ヘアカラーリストに必要な基礎をポイント3つにまとめました。