どのようなお客様がヘアマニキュアに向いているのか、教えてください。
本記事のテーマ
「ヘアマニキュアは髪を傷めないの?」注意点、このようなお客様へすすめよう!
本記事のテーマ
- ヘアマニキュアは傷まないの?
- ヘアマニキュアの仕組み。
- このようなお客様に向いています。
- メリットデメリット。
- まとめ。
読者さんへメッセージ
お客様の中で、ヘアマニキュアはヘアカラーと比べ少ないと思いますし、特定のお客様がヘアマニキュアをしていると思います。
しかし、美容師さんなら、ヘアマニキュアの仕組み、特徴は知っておいて損はありません。
ヘアマニキュアは傷まないのか?と聞かれてば、傷みます。ヘアカラーほどの傷みはありませんが、ヘアマニキュアも毛髪の一部が傷みます。
なんでもそうだと思うのですが、少しでも傷む=悪い。と言ってしまったら何もできませんよね。ヘアマニキュアがヘアカラーより向いている人もいるし、その逆の人だっています。
お客様が望む「どうなりたいのか」それによって使い分けて提案していくことが大事だと思います。
本記事を読んでいただければ、あなたの質問は解決するでしょう。
では、初めていきましょう。
ヘアマニキュアは傷まないの?
簡単に伝えるなら、「ヘアマニキュアは髪表面に薄い膜がはりコーティングされて、髪がツヤツヤでサラサラになります。」
これを聞くと、髪が傷まないようなイメージがありますよね。
確かに髪に良いイメージがあるのですが、実際は髪の表面キューティクルが痛んでしまうのです。
本来、日本人の髪は、毛小皮10%〜15%(キューティクル)毛皮質80%〜85%(コルテックス)毛ずい質12%以下(コルテックス)からできています。
- キューティクルは、1枚ではなく、ウロコ状で数枚が重なり合って一つのキューティクルになっています。
- そのキューティクル1枚は2層になっていて、1層がエキソキューティクル、2層がエンドキューティクル。
- この1枚のキューティクルが数枚重なりあっています。
1枚目のキューティクル と 2枚目のキューティクルの間に、CMC(細胞間脂質)が存在します。(この状態で数枚あります)CMCの部分 に MEA(メチルエイコサン酸)と言うものがあります。このMEAは1枚目のキューティクルクル表面にも存在します。
- MEA=脂質で髪に艶感を与えてくれます。毛髪全体の0.1%しかありません。
- CMC=脂質で細胞を繋ぎ合わせるもの。これは、コルテックス内部にも存在します。
(Cell Membrane Complexの略称。細胞膜被合体。)
MEAがヘアマニキュアの内容成分であるベンジンアルコールによってほぼなくなってしまいます。
髪に艶を与えてくれる脂質が壊されてしまうので、痛んでしまいます。
髪は再生できません。MEAに限らず、髪の水分、タンパク質は元に戻りません。
以上が、ヘアマニキュアは痛む理由なのですが、ヘアカラーもこれと同じことが言えます。ヘアカラーよりはマニキュアの方がダメージは遥かに少ない。
では、マニキュアの仕組みを見ていきましょう。
ヘアマニキュアの仕組み
ヘアマニキュアは、イオン結合によって毛髪処理を施します。
ヘアマニキュア(化粧品)はヘアカラー(医薬部外品)と違い化学反応は起こしません。
なぜヘアマニキュアの染料は毛髪につくのか?
ヘアマニキュアの染料
ヘアマニキュアの染料は、直接染料の部類で塩基性染料を使っています。(色を持っている染料)
塩基染料は分子が大きくプラス(+)の電荷質があります。
- 毛髪(健康毛は弱酸性)
- 毛髪は通常プラス(+)マイナス(ー)両方、帯電しています。
- 髪の等電点(PH4.5〜PH5.5)弱酸性。プラス、マイナス、バランス良く帯電している。
- ヘアマニキュアの染料(+)と、毛髪(ー)で、イオン結合する。
染料は髪のどの部分にイオン結合するのか
キューティクルの表面と、キューティクルの内側である、数層のキューティクルの内側CMCにイオン結合します。
イオン結合はそれほど強い結合ではありません。染料分子も大きいのでキューティクル表面に結合します。しかし、これだと簡単にとれてしまいます。そこで効果を高めるために、ヘアマニキュアにはベンジンアルコールが配合されています。
このようなお客さに向いています。
MEAが壊されてしまいますが、ヘアマニキュアはのメリットも沢山あります。ヘアマニキュアでないどダメと言うお客様もいます。
- コーティング効果。
- 髪内部を傷めない。
- 微妙に髪の色をを変えられる。
- カラー剤でかぶれてしまう。
- 白髪をおしゃれの染めたい。
このような効果は、ヘアマニキュアの良い部分でこれらを望んでいるお客様も多いくいます。
具体的に見ていきましょう。
コーティング効果
ヘアカラーをする気はない。髪に艶感が欲しい、髪がごわついて指どうりが悪い、髪をサラサラにしたい。
髪がコーティングされ、艶を与えて、サラサラになります。色をつけたくなければ、クリアを使用しましょう。
髪内部を傷めない
ヘアカラーは髪が傷みそう、でも色も少しだけ楽しみたい。
ヘアマニキュアはイオン結合の染料を使っているので、毛髪内部を損傷しない。
微妙に髪の色を変えられる
ヘアカラーには興味がある、仕事関係でヘアカラーが禁止されている。
ヘアマニキュアは髪のメラニンの脱色はしません。地毛である毛髪に色がついても目立ちません。髪が光に反射した時に少しその色が確認されます。
カラー剤でかぶれてしまう
ヘアカラーはかぶれてしまう、でもカラーをしたい。
かぶれの原因はヘアカラーの染料(ジアミン色素)によるもので、ヘアマニキュアの染料は、塩基性染料なのでかぶれません。それとヘアマニキュアは頭皮には塗布しません。
ヘアマニキュア、デメリット
ヘアマニキュアは化学反応でメラニンの脱色をしません。
ヘアマニキュアの染料は明るいビビット色ですが、黒髪などにヘアマニキュアをしても色味が弱くなります。ヘアカラーのような色を楽しみたい方には向かないでしょう。※ダブルカラー除く
ヘアカラーをしている人には向かない
ヘアカラーをしている方が一時的にヘアマニキュアを施術した場合、次にヘアカラーを施術しても色が入らない、変色してしまうことが多くあります。
ヘアマニキュアのコーティング、イオン結合した染料に問題が生じます。イオン結合は弱く通常3、4週間で効果を失いますが、キューティクルの内側で結合された染料は比較的長い時間存在します。(場合によっては3ヶ月〜6ヶ月)
このため、ヘアカラー剤(酸化染料)が髪内部に浸透しずらく色が入らない変色してしまうのです。
ヘアカラーを繰り返し繰り返し施術している場合は特にこのようなことが起こります。
ヘアマニキュアの仕組み、ヘアマニキュアの染料で書いたとうり、
毛髪は通常プラス(+)マイナス(ー)両方、帯電しています。
髪の等電点(PH4.5〜PH5.5)弱酸性。プラス、マイナス、バランス良く帯電している。
ヘアマニキュアの染料(+)と、毛髪(ー)で、イオン結合する。
ヘアカラー毛(アルカリ)、ダメージ毛の等電点はPH7〜 毛髪はアルカリに傾いています。
ヘアカラー(アルカリ)を繰り返し施術した毛髪、ダメージ毛などは、毛髪はマイナス(ー)に帯電しバランスを崩します。バランスがマイナス(ー)に傾けば傾くほど、ヘアマニキュア染料のイオン結合が増します。
ヘアマニキュアは、健康毛に近い方は比較的すぐ効果を失いますが、ダメージ毛の方は効果が持続します。
ヘアマニキュアをしている方がヘアカラーをする場合は、ヘアマニキュアのイオン結合コーティングのよってカラー剤の浸透を妨げてしまいます。
解決方法として、
十分期間を空けてヘアカラーを背術する。
ブリーチ剤で一度脱色、脱染させて、ヘアカラーを行う。※髪が痛むのでおすすめはしません。
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まとめ
ヘアマニキュアは傷まないの?
MAEが壊れることで、キューティクル表面の脂質、艶感が損なわれます。しかしメリットもたくさんあります。お客さに合わせて提案していきましょう。
ヘアマニキュアの仕組み。
ヘアマニキュアはイオン結合による染色。ヘアカラーとは染色が異なります。
このようなお客様に向いています。
ヘアマニキュアのメリットを望んでいるお客様もいます。希望に合わせて、おすすめしましょう。
ヘアマニキュア デメリット。
ヘアカラーをしている方へ、イオン結合した染料が邪魔をしてヘアカラーの浸透を妨げてしまう。
ヘアマニキュアに向く、向かないを判断しましょう。
今回は、以上となります。