おしゃれ染の仕組みを知りたい。1剤、2剤は種類も多いし使い方がよくわからない?どのように使いこなしたら良いのか教えてください。
このような質問にお答えます。
本記事のテーマ
【酸化染毛剤ファッションカラーのしくみ】ファッションカラー1剤2剤の種類&使い分け!
本記事の内容
- ファッションカラーの仕組み。
- ヘアカラー1剤。リフターとトナー。
- 染料。
- ヘアカラー2剤OX。
- まとめ。
読者さんへメッセージ
本記事は、「アススタント向けヘアカラー学びの手順書」カラー剤を理解しよう。の詳細記事になります。
カラー剤の1剤、2剤を使い分ける。これは毛髪に負担をかけずにヘアカラーを行う考えでとても重要です。1剤のトナーの使い方は既染毛に負担をかけず、ヘアカラーを行うことができます。
カラーリングで髪が痛んでしまえば、カラーは痛むと定義付けられ、カラー人口は減ってしまいます。特にサロンではヘアカラーは人気のメニューの一つです。トナーをうまく使いカラーは傷まないとお客様に認識してもらえれば、続けてヘアカラーを楽しんでもらえます。
本記事では、リフター、トナー、OXの使い分けを記事にしています。この記事が参考になれば、傷ませない綺麗なヘアカラーの提案ができるようになるでしょう。
僕は美容師初めの頃、感覚だけでヘアカラーを行い何度も失敗しました。感覚だけでは素人同然です。そのことに気づき理論を学びました。結果、カラーの提案がお客様にできるようになり、信頼を獲得して、指名客を毎月、150人まで増やすことができました。
美容師であればヘアカラーの特徴は知っていなければ、自信を持ってヘアカラーも出来ないし、お客さに提案も出来ません。
では、初めていきましょう。
ファッションカラーのしくみ
正式名は、2浴式カラー(パーマネントカラー)パーマネントとは、永久という意味を持っています。
カラー剤は(おしゃれ染)1剤(アルカリ)と2剤(酸性)をミックスして化学反応が起こり毛髪の色を変えることができます。
- 1剤 「アルカリ」=毛髪が膨潤しキューティクルが開きます。
↓ - 2剤 過酸化水素水「酸性」=ミックスしたカラー剤が毛髪内部に浸透してメラニン色素を分解します。
↓ - 1剤+2剤 =化学反応により毛髪内部で染料を発色定着させます。
- アルカリ剤 キューティクルが開き、1、2剤の混合液を髪内部に浸透させる。2剤の過酸化水素水を分解し酸素を発生させる。
- 過酸化水素水 1在中のアルカリによって分解され酸素が発生。毛髪色素の脱色。
- 酸化染料 1剤中のアルカリと2剤の過酸化水素水の化学反応で発生した酸素で発色する。
ヘアカラー1剤
カラー1剤には染料が配合されていて、アルカリ剤で出来ています。
毛髪を保護するトリートメント成分も配合されています。※アルカリは毛髪にダメージを与えてしまいそれを保護するために配合。
健康な毛髪は弱酸性(PH4.5〜PH5.5)です。ヘアカラーを行うと毛髪は、アルカリに(PH7〜 )に傾きます。アルカリに傾いている毛髪を保護するためにトリートメント成分が配合されています。
ファッションカラーは、1剤にリフター、トナーがあり、特にトナーはできるだけ毛髪に負担をかけずヘアカラーを施術することが可能です。
それぞれ見ていきましょう。
リフター
リフターはアルカリで、新生部、バージン毛のトーンアップ用です。髪の明度を上げるときに使います。
染料
- ナチュラル(寒色系のベースカラー)極薄いグリーン系、赤みを抑えたい時。色味は無い。自然な寒色ブラウン。
- ブルー系(寒色系ベースカラー+色味ブルー)
- グリーン系(寒色系ベースカラー+色味グリーン)
- イエロー系(寒色系ベースカラー+色味イエロー)
- 青紫系(寒色系ベースカラー+色味ラベンダー)
- ブラウン(暖色系のベースカラー)薄いレッドブラウン系、暖色系にしたい時。色味は無い。自然な暖色ブラウン。
- レッド系(暖色系ベースカラー+色味レッド)
- オレンジ系(暖色系ベースカラー+色味オレンジ)
- ピンク系(暖色系ベースカラー+色味オレンジ)
- 赤紫系(暖色系ベースカラー+色味バイオレッド)
カラー1剤のベースカラーは、基本ブラウン色です。ヘアカラーをしたときに不自然にならないようにするため必ず配合されています。
ベースカラーと色味の比率は各メーカーやカラー剤の種類によって異なります。
色味は、カラー剤のレベルが上がれば薄く、下がれば濃くなります。各カラー剤の色味が一番分かりやすいのは8レベル位のカラー剤だと思います。
ベースカラーは含まれていません。色味のみの構成となります。
使い方は、その色を少し強調したいとき、に(ベース+色味+アクセントカラー)として使う場合が多い。他にブリーチ後のオンカラーとして使う場合もあります。
※ブリーチ後のオンカラー(ダブルカラー)は初心者には向きません。少しカラーに慣れてきたら勉強しましょう!
トナー
トナーは低アルカリ、微アルカリで、既染毛のトーンダウン用です。既染毛の明度を下げる時に使います。
リフターと比較して、トナーは既染毛に対して負担をかけないヘアカラーが可能です。
染料はリフターと同じですが、トナーは色味が入りやすい傾向があるので、新生部リフター、既染部トナーで施術する場合、ブラウンコントロールの考え方で施術しましよう。不自然にならないように染める方法です。
ブラウンコントロールに関しては、こちらをご覧ください。
【ヘアカラー ブラウンコントロール】アンダートーンを理解してカラー剤を選ぼう!
染料
カラー剤に含まれている染料は2種類。
酸化染料と直接染料です。
酸化染料
2剤とミックスした時におこる化学反応で、酸化して染料を発色させます。同時に発色した染料どうしが繋がり大きな分子となります。これを酸化重合と言います。
染料が毛髪内部に止まりやすくなります。色もちが良い。
直接染料(ダイレクト染料)
初めから発色している染料が1剤に配合されています。化学反応による発色ではありません。酸化重合もおこりません。染料の分子が小さいので髪内部に止まりづらい。色もちが比較的悪い。
この染料のみで構成されているのではなく、酸化染料と直接染料を混ぜて構成されています。しかし直接染料が毛髪内部からなくなった時、酸化染料のみが髪内部にあれば毛髪の色は不自然になります。
カラー剤の、アルカリ、染料に関してのメリットデメリットはこちらをご覧ください。
カラー2剤 OX 過酸化水素水
2剤には、リフターで使う6% 4.5% etc. トナーで使う3% 1.5% etc.があります。
2剤はメラニン色素を分解させるもので、%はそれぞれ1剤とミックスした時の化学反応(色素分解率)が異なります。
新生毛は沢山色素を分解して染料を定着させないとヘアカラーの色が見えません。
既染毛は一度カラーをした髪、色素は新生毛に比べ少ない。色素分解は少しで良い。
6% = 6分解 色素残4
4.5% = 4.5分解 色素残5.5
3% = 3分解 色素残7
1.5% = 1.5分解 色素残8.5
明度を下げる場合は、カウセリン時にアンダートーン(退色度)の明るさを見て3% 1.5%の選択をすると良いと思います。
退色がひどく明るい場合は1.5%
退色はそれほどない場合3%
※ヘアカラーの経験が少なく自信がない場合はこの方法で試してください。
ヘアカラー関連記事
【ヘアカラー光と色の関係. 反射. 乱反射】色の見え方と髪質別ヘアカーの提案方法。
まとめ
本記事では、ファッションカラー剤(パーマネントカラー)の仕組みで記事を書いています。グレイカラー(白髪染め)はファッションカラーとくべ染料が少し違います。次回はグレイカラーの仕組みで記事を書きます。是非参考にしてください。
ファッションカラーの仕組み。
1剤、2剤の化学反応で毛髪の色を変える。
ヘアカラー1剤
1剤には、リフターとトナーがあり、新生部、既染部で使い分ける。
染料。
染料は、酸化染料と直接染料の2つがある。
2剤 OX
リフター、トナーで使い分ける。特に既染部はアンダートーンの明暗で使い分ける。
ファッションカラーは色の表現も豊富で、テクニックを使えば、バリエーションも増えます。沢山カラーの勉強をして将来あなたはカラーリストになっているかもしれないですね。
本記事は以上です。