【ヘアカラー 光と色の関係】異なる毛髪の色の見え方とカラー剤の選択、カラー剤調合比率

ヘアカラーの勉強を初めたばかりのアシスタントです。更にヘアカラーを学び自信をつけたい。色を理解してヘアカラーの提案ができるようになりたい。
読者さん
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テーマ

【ヘアカラー 光と色の関係】異なる毛髪の色の見え方。

内容

  • 色の見え方
  • 毛髪の違いと色の見え方
  • ヘアカラー剤の選択
  • 光と色の見え方 カラー調合比率

メッセージ

色は太陽光、蛍光灯などの光の反射光でその色が確認できます。又、物体の形状で反射、乱反射が起こりそれによって色の見え方も違います。

本記事では、光の反射による髪質で異なる色の見え方をテーマに、綺麗に見せるヘアカラーのカラー剤選定をテーマに書いています。

僕は美容師初めの頃、感覚だけでヘアカラーを行い何度も失敗しました。感覚だけでは素人同然です。そのことに気づき理論を学びました。

理論を基に経験を積めば、その経験こそあなたの感覚となりさらに研ぎ澄まされていきます。

本記事は、ヘアカラーの一つの提案方法です。


では初めていきましょう。

色の見え方

ヘアカラーを行う上で色の見え方はとても重要になっていきます。その見え方を利用して様々な提案ができるようになります。

色は光の反射によってその色を確認できます。例えば、赤、青、黄の各色は、暗い所では色の認識はできません。光のある場所や、明るい場所で光を受けることで各色それぞれ認識できます。

光の反射

赤、青、黄それぞれ光の反射の違いで、赤、青、黄と認識できます。もし光の反射が同じであれば、赤、青、黄は同じ色で見えます。

真っ赤なリンゴは、光を受けると、その光のうち赤の光だけを反射します。それ以外の光は物体が吸収してしまいます。このように反射光だけが、私たちの目に届き色を認識します。

光の乱反射

光が散乱して起こることを、乱反射と言います。

  • 赤い平面は、光を受けて赤の光だけを反射します。→赤く見える。
  • 赤い曲面は、光を受けて赤の光が散乱して乱反射します。→暗い赤に見える。

このように 平面=反射。 曲面=乱反射。同じ赤でも異なって見えます。

ヘアカラーでは、毛髪の状態で同じ色でも見え方が微妙に異なります。

毛髪と色の見え方を見ていきましょう。

毛髪の違いと色の見え方

分かりやすく、毛髪は大きく分けて、
直毛とくせ毛(縮毛)が存在すると思います。直毛と、クセ毛では同じ色でも見え方が異なります。

  • 直毛は 反射
  • くせ毛は 乱反射
  • 【反射】一定方向に規則正しく反射すると、綺麗に見えます。
  • 【乱反射】不規則な乱反射により、くすんだ色に見えます。
読者さん
読者さん
同じ色でも、反射、乱反射で見え方が異なるのですね。

直毛とくせ毛に同じレッド系のカラーをした場合、直毛は反射することで綺麗な赤に見えますが、くせ毛は乱反射するのでくすんだ赤に見えます。直毛の人と、くせ毛の人はくせ毛の人の方が色がくすむ傾向が高いことを覚えておくと良いですよ。
アツシ
アツシ

クセ毛の色の見え方

  • A 大きな波状のクセ毛=反射(乱反射はあまり意識しなくても大丈夫です)
  • B 細かい波状のクセ毛=乱反射
  • C 毛髪がねじれ強いクセ毛=乱反射

ダメージ毛の色の見え方

  • A 毛髪水分不足、かなり髪がパサパサ(繰り返しヘアカラーを行なっているダメージ毛)=乱反射
  • B キューティクルの損傷が激しい(繰り返しヘアカラーを行なっているなどのダメージ毛)=乱反射

ダメージによる、水分不足だけでも反射に関係なく毛髪は艶感を失っています

ヘアカラーをしても少し、くすんで見えます。

ダメージ毛は毛髪内部コルテックス間充物質の流失により毛髪形状が悪く

ヘアカラーの色はくすんで見えます。

通常キューティクルは閉じていますが、剥がれてしまうと表面が凸凹になります

キューティクルの損傷は、最も色がくすんで見えてしまいます。

読者さん
読者さん
ダメージ毛でも色の見え方が違うのか〜。

ダメージ毛は、キューティクルが剥がれている場合がほとんどです。キューティクルは傷んでいなければ閉じているので、乱反射しません。覚えておきましょう。
アツシ
アツシ

ヘアカラー剤の選択

ヘアカラー剤は、レベル(明度)が上がるほど色味は薄く(低彩度)となります。

レベル(明度)が下がるにつれブラウン系の色味が濃くなり(低彩度)となってしまいます。

ヘアカラー剤は8レベル付近が、その色を比較的強く感じられます。※色彩と少し異なりますが、一番ビビッドに感じられます。

どうしても寒色系が良い場合は2レベル明度を上げても良い。

色がくすんで見える場合は、少し暗く感じられますので、少し明度を上げた方が明るく、くすんで見えません。

一番良いのは、やはり暖色系の高彩度ですね。

髪に艶感を出すヘアカラー剤の選択方法

くせ毛や、ダメージ毛は乱反射しやすく色がくすんで見える傾向にあります。

ヘアカラーの選択は、寒色系の彩度の低い色は避けて、

暖色系の彩度の高い色を選択すると良い。

色は、寒色系より、暖色系の方が艶感をより感じられ、彩度の高い方が色を感じられます。

ヘアカラー剤 彩度の高い色

ヘアカラー剤にはファションカラー、グレイカラーとありますが、

ファッションカラーは、色味を重視した高彩度設定のヘアカラーもあります。

本気記事では、どのメーカーのファッションカラーでも通用するように記事に書いています。

ヘアカラー剤には各色レベル(明度)設定があります。

例えば、色彩の色で原色の赤は高彩度、これを明度調整して色に明暗をつけると、

赤+白でライト系、ペール系の明るい赤になります。低彩度

赤+黒でダーク系の暗い赤になります。低彩度

白と黒の中間はグレイで明度調整されています。低彩度

以上は色彩で表したものですが、

ヘアカラーの場合どうなっているのかと言うと、

ヘアカラーの各色のレベルは全てブラウン系で明暗のコントロールがされています。

つまり、各色に原色はありません。

※色彩のビビッド系は高彩度の色相環で表しています。

ヘアカラー剤の各色の比較的その色を感じられる(高彩度)は

8レベルです。

各色8レベルが色を強く感じられると言えます。

8レベルを基準に考えて、

レベルが上げれば色は薄くなり、レベルが下がれば色はブラウン系に濃くなります。

ヘアカラー剤で最も高彩度は、8レベルのカラー剤です。

ヘアカラー剤のレベル 明暗 彩度
  • 高明度=低彩度 9Lev. 10Lev. 11Lev〜.
  • 中明度=高彩度 8Lev.
  • 低明度=低彩度 7Lev. 6Lev. 5Lev〜.

色相、明度、彩度

  • 彩度とは、色相と明度の関係性で色の鮮やかさを表したもの。各彩度の色相環があります。
  • 色相=各色を表します。(有彩色)
  • 明度=白〜黒、色の明暗を表します。(無彩色)

毛髪の状態で、乱反射する場合は、比較的高彩度の8レベルを選択すると低彩度を選択するより、色が綺麗に見えます。

暖色系は寒色系に比べ色の特徴として鮮やかに見えます

これらを基に考え、

暖色系の8レベルが、クセ毛、ダメージ毛、に対して髪色を綺麗に見せることができます。

ヘアカラー剤 高明度の選択

明度を少し上げることで毛髪のくすみをカバーすることができます。明度が低いとよりくすんで見える傾向があります。

特に縮毛矯正毛に対しては、

くすむ傾向が非常に高いので、明度を上げたヘアカラーの方が、

綺麗に見えます。

色も暖色系で明るく見える、オレンジ系、イエロー系がおすすめです。

9レベル〜 オレンジ系、9レベルイエロー系

このようなケースに対してはオレンジ系、イエロー系ですが、

色にはそれぞれ、見え方や特徴があります。参考にしていただければ幸いです。

読者さん
読者さん
艶感をだすカラーにする場合は、暖色系とか、少し明るめのカラー剤を使うといいのですか?

そのとうりですね、色や明るさを変えて、ヘアカラーすることで艶感のある、くすんで見えないヘアカラーが可能です。
アツシ
アツシ

光と色な関係 異なる毛髪の色の見え方 【カラー剤調合比率】

今回は、暖色系でまとめます。

色味はオレンジ系で設定しています。

オレンジ系でなくてもピンク系に置き換えても大丈夫です。

Aくせ毛大きな波状のくせ毛(反射)

カラー剤選択と調合比率
  • ① 8レベル ブラウン+8レベル オレンジ+8レベル グリーン(補色)。混合比 3 : 1 : 10%
  • ② 9レベル ブラウン+8レベル オレンジ+7レベル グリーン(補色)。混合比 3 : 1 : 10%

※補色グリーンを選択した理由は、ヘアカラーを行う場合くせ毛は赤くなりやすい傾向がある為グリーンを選択。

※ブラウン+オレンジ=60g 補色は60gの10%で書いています。補色は慣れるまで10%〜20%で設定すると失敗を回避できます。
ブラウン45g + オレンジ15g + グリーン6g

※乱反射は意識せず、

①ブラウンベースにオレンジ系を少し足して、補色も少量で設定しました。

②のようにベースの明度を少し上げて設定すると、仕上がりの明度がイメージできない場合に有効です。

その場合色味や補色のレベルを少し下げて設定してください。

B 細かい波状のクセ毛(乱反射)C 毛髪がねじれ強いクセ毛(乱反射)

カラー剤選択と調合比率
  • ① 8レベル ブラウン+8レベル オレンジ+8レベル グリーン(補色)。混合比 2 : 1 : 20%
  • ② 9レベル ブラウン+8レベル オレンジ+7レベル グリーン(補色)。混合比 2 : 1 : 20%

※乱反射により色がくすんで見えると判断し、ブラウンベースに色味を少し強調させました。強いクセ毛で赤くなりやすい傾向から捕色を少し多めに設定しています。

A 毛髪水分不足、かなり髪がパサパサ(繰り返しヘアカラーを行なってるなど)(乱反射)

カラー剤選択と調合比率
  • ① 8レベル ブラウン+8レベル オレンジ+8レベル バイオレット(補色)。混合比 3 : 1 : 10%
  • ② 9レベル ブラウン+8レベル オレンジ+7レベル バイオレット(補色)。混合比 3 : 1 : 10%

※水分不足で髪がパサパサの場合、やはり乱反射しやすいので暖色系を使うと良いでしょう。
補色は、メラニンの脱色がオレンジ系になりやすいのでバイオレットで設定しています。

B キューティクルの損傷が激しい(繰り返しヘアカラーを行なっているなど)(乱反射)

カラー剤選択と調合比率
  • ① 8レベル ブラウン+8レベル オレンジ+8レベル バイオレット(補色)。混合比 2 : 1 : 20%
  • ② 9レベル ブラウン+8レベル オレンジ+7レベル バイオレット(補色)。混合比 2 : 1 : 20%

※キューティクルの損傷が激しいとかなり乱反射します。色味を少し多めに設定し、補色も少し多めに設定すると良いでしょう。

読者さん
読者さん
クセ毛でも様々なくせ毛の人がいますが、参考にしてみます。

僕がサロンワークで実際に経験した内容ですので、参考になれば幸いです。
アツシ
アツシ

今回の記事で調合比率の対比と補色の%の基本的な理論や

新生毛、既染毛のカラー剤の選び方は下記の

【ヘアカラーブラウンコントロール】ブラウンコントロールの調合比率

【美容師ヘアカラーの勉強】基本 カラー調合比率

それぞれ、記事に書いています。

参考にしていただければ幸いです。

【関連記事】【ヘアカラー ブラウンコントロール】ブラウンコントロールに必要な理論とカラー剤の選び方、調合比率

【関連記事】【美容師ヘアカラーの勉強】学びの手順アシスタント向けヘアカラー理論

まとめ

色は光の反射によって認識します。乱反射すると少し暗く見えたり、くすんで見えたりします。
毛髪も、直毛やキューティクルのダメージが少ない毛髪と、クセ毛やダメージが深刻な毛髪では色の見え方が異なります。

乱反射する毛髪には彩度の高い暖色系で色を提案することでヘアカラーをより綺麗に見せることができます。

実践して試して下さいね、経験を積めばあなたのオリジナルなヘアカラーを表現することもできます!

本記事は以上です。